親方の教えとモミジと植木屋
世田谷の植木屋『庭竹』です。
庭竹は世田谷で修業して世田谷で独立しています。
お世話になった親方の教えが今の私(庭竹の作業理念)を形作っています。大正生まれの親方は頑固な一面もありましたが逐一仕事の良し悪しを指摘するような指導と言うよりは、お茶(休憩中)の時のお喋りの中で色々と教わった様な気がしています。
さて、そんな教えの中のひとつ。
私は年に二度小箒(手箒)を作ります。
お世話になった親方は剪定した竹の穂を集めた物にむしろを被せて、その上から水をかけて放置していました。暫くするとむしろの中が蒸れて竹の穂から葉が落ちますので、それらを選り小箒を作っていました。昔の人はSDGsです。親方は塵取りも手作りしていました。
私は市販の高箒(竹箒)をバラして作っています。
親方は言っていました。「高箒は植木屋(庭師)の箒じゃないよな。あれは素人が使う箒」
私は素人の使う箒を植木屋の箒に作り替えて使っています。
さて、こちらは昨年改修工事をした苔の小庭です。
御依頼がありモミジの剪定を行いました。
お隣や道路に枝が出るのは好ましくありませんが、かといって乱暴に切ってはモミジらしさをスポイルしてしまいます。
私個人はモミジの剪定は難しいと考えています。切り落とす箇所や量で一年後の姿は全く違ったものになります。モミジとカエデはほぼ同義語ですが、楓は木へんに風と書きますから、さらさらと風に揺れるくらいの枝ぶりが好みです。
こちらもモミジの剪定です。
芝にかかったモミジの枝がお庭に影を演出しますが、木陰と日陰では印象が異なります。
枝ぶりや葉の総量を調整してあげると、芝にモミジの木陰が夏のお庭を涼やかに見せてくれます。
以上、庭竹でした。
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