暮れは大変です。
私はこちらのHPで、日々の作業の中での気づきや季節の写真を掲載していますが、時々、思いがけず綺麗な写真が撮れることがあります。
もちろん、それは私の腕によるものではなく、スマートフォンのカメラの性能や、その時の光の具合、そして素材そのものの美しさが大きな要因です……。
さて、こちらはいつものお寺さんです。
今年は、夏以降の雨の影響なのか、私の経験では少し理解しがたい枝の伸び方をしています。まとまった降雨量が続いたことが関係しているのかもしれません。
秋頃の新芽が幾らか伸びたような状況ですから、剪定にも変な気を遣います。
こちらは、庭竹のお客さまの中でも珍しい、法面(斜面)のお庭です。
通常のお庭とは奥行きと高さの関係が異なるため、必然的に植木の見せ方にも工夫が求められます。
足元を透かしすぎたり、低木類の扱いを誤ると、地面が丸見えになり、公園のような印象になってしまいます。
緑と石を用いて奥行きを演出できればよいと、常に心がけています。
私は秋が好きです。 紅葉の頃、お庭が最も美しく見えるようであればと願っています。 落ち葉もまた、美しいものだと思います。
お客さまの中には、落ち葉掃除を大変だと感じている方もいらっしゃるかもしれません。 日本庭園で有名な写真家の方がいらっしゃって、私もその方の写真集で学ばせていただいています。 その方は、まず庭を丁寧に掃き清めたうえで、落ち葉を意図的に散らして撮影されるのだそうです。
掃き清められた庭には、落ち葉もまた景の一部として調和します。
最後はこちら、今年のゴールデンウィークに改修作業をさせていただいたお庭です。
各種剪定と落ち葉などの清掃を行うと、延べ段の目地に苔がうっすらと見えてきました。 狙い通り、地苔が少しずつ乗ってきています。砂利と石の庭も、時間とともに表情を変えつつあります。
改修直後は、すべての庭石をブラシなどで洗浄したため、どちらかといえば「新品」のような印象でしたが、苔が乗り始め、石も庭に順化してきたことで、景観が徐々に落ち着いた趣へと変わってきました。
来年、再来年と、苔の成長がますます楽しみです。
以上、世田谷の植木屋「庭竹」でした。
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