竹垣の手直し
世田谷の植木屋『庭竹』です。この時期(真冬)は仕事のペースものんびりしたものです。
竹垣と言えば植木屋の冬仕事のひとつですが、7年~9年位で掛け直し(リビルド)が必要ですから贅沢品と言えるかもしれません。昔のようにお庭と言えば竹垣があるものと言った時代ではなくなり、竹屋さん(竹材屋)も特殊な竹材などは過剰在庫を抱えないよう工夫したり、はたまた廃業されたりと時代の移り変わりを感じます。
建仁寺垣と言えば一級造園技能士の課題でもあり基本中の基本ですが、先日建仁寺垣(画像はすべて庭竹施工の竹垣で今案件の画像ではありません。)の手直しと言う仕事をしました。
ある植木屋(下請け)さんが建仁寺垣の掛け直しをされたのですが、お客さんが気にいらずに手直しを希望されたそうです。
しかし、当の植木屋さんは「出来ません」と突っぱねて逃げてしまったそうです。困った元請け(知り合い)さんは庭竹に相談。といった流れです。
当然お客さんは御立腹ですから、顔を出すだけでもリスクが有ります。しかし、知り合いからの頼まれ事ですから頭を低くして手直しに伺いました。
画像は作った植木屋さんに悪いので載せませんが、なんというかYouTubeでも見ながら作ったのかなと思うほど決まり事が守られていません。
玉縁の竹の選び方や結束の位置、飾り結びの仕様、山割り竹が斜めに見える等々,ぱっと見は建仁寺垣ですがなんか違います。
もちろん地域や地方の決まり事や様式美は有るかと思いますが、今回の案件は同じ東京都内です。
お客さんの言い分としては前とあまりにも違うでした。前回(7~8年前)の写真もお持ちでこちらに見せておっしゃいます。「違うでしょ」と。
なんとも肩身の狭い仕事でしたが、手直し作業はダメ出しを受ける事もなく無事終了しました。
後日、元請けさんから「お客さんが庭竹さんを気に入って、植木の手入れも頼みたいと」との事でしたが、現場が遠い(世田谷区でない)事を理由に丁重にお断りさせていただきました。
お客さんの立場からするとトラブルであり災難ですが、植木屋(庭師)だから庭仕事なら何でも出来る訳ではないのも事実です。今回は知り合いの元請けさんの顔を潰さずにすみましたが、なんだか変な体験でした。
以上、竹垣は若いうちにしっかり学んでおきましょうと考える庭竹でした。
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