植木屋と剪定鋏(後編)

さて,フェルコですが前編での問題点(受け刃に面取り)の是正と、仮説1(受け刃の角度)の検証のために加工してみます。
まずは上画像のように分解します。モンキーレンチとマイナスドライバーが有れば簡単に分解出来ます。
シリコン系グリスでしょうか、日本の剪定鋏では見かけない程たっぷり注入してあります。
加工目標
1.受け刃の刃側(切れませんが)から削りとって面取り部分を極力なくす。
2.受け刃の角度をデフォルトよりも急角にする。
まずはデスクグラインダー(無段変速)でざっくり削ります。グラインダーのダイヤルは2ないし3(低速)です。面取り部分を若干残すくらいまで削ります。
ここからは半丸鑢(甲丸鑢)で仕上げます。鑢はかかりますが若干滑る感触が有りますから、かなりあまい(柔らかい)鋼かと思います。
ここでは面取り部分を髪の毛一本とまではいきませんが糸一本分くらいまで鑢を掛けます。
画像ではわかり難いかも知れませんが、受け刃の角度は昌国よりも急角にしました。ここまでの作業時間は30分くらいでしょうか、デスクグラインダーでの加工精度で左右されるかと思います。
受け刃の加工が終わったら分解の逆手順で組み立てます。
画像真ん中の歯車のついたナットの締め具合には調整が必要です。
ナットを仮に締めたら(バネなし)画像のように刃側のグリップを持って鋏を開きます。自然に鋏が閉じなければいけませんが、画像のように閉じきらず途中で止まるくらいが良いようです。(色々試した結果)
今回の結論
1.皮一枚残ってしまうは改善しました。面取り部分がなくなったので当たり前と言えば当たり前かなと思います。
2.受け刃の角度は切れ味に影響する?
は正直わかりませんでしたが、加工前よりは切れるようになったような気がします。気分としては使えない鋏が使えようになったといったところです。
今回、鍛冶の会のメンバー(植木屋ではありません)がいましたので、加工の前後で試し切り(近くにあった珊瑚樹)をしてもらいました。明らかな改善を実感していましたが、やはり研ぎ減った昌国の方が切れるとのとの事です。
もっと切れておかしくないのですが、納得がいかないので、刃の研ぎ及び形状を少し吟味してみます。
以上、庭竹の剪定鋏を考える後編でした。

2022.1/14追記。
受け刃の面取り部分を糸一本くらい残していましたが、後日再加工によりエッジが立つ所まで削り直してから、ほんの僅かな面取りをしました。。
また、刃の研ぎを見直し、デフォルトの二段刃から四段刃にしました。
画像が明瞭でなく申し訳ありませんが、刃先全体をごく僅かな幅で鈍角に研ぎ、デフォルトの二段刃の鎬部分をつぶす感じで鋭角に研ぎます。
刃先(鈍角)二段(デフォルト研ぎ面)三段(鋭角な鎬面)四段(デフォルト刃の肉)の順です。二段目と三段目は同じ位の幅にして、各研ぎ面が均一なのが理想です。
上画像はダイヤモンドシャープナーで手軽に研いだだけですが、受け刃の加工とあいまって格段に切れるようになりました。砥石で正確に研げばより切れると思います。
フェルコ本来の切れ味なのか?本来のフェルコ以上の切れ味なのか?わかりませんが、フェルコが切れないと思う方は試してみるのもよいかと思います。
これなら十分に使えますが。やはり昌国の方が切れるのも事実です。これでフェルコの加工は終了とします。
最後に、疑問であった受け刃の角度は関係ないのかも知れません。

世田谷の植木屋 『庭竹』

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