『鍛冶の会』不定期報告

鍛冶の会の朝は炭割りから始まります。

当日参加のメンバーが新参古参に関わらず車座になって炭を割ります。大きな炭は火持ちはいいのですが鍛冶作業には向きません。上の画像の様に特殊な形状のハンマーで数センチ角になるように割ります。

炭は小さく割ることにより火のまわりが良くなりますので、鍛冶作業に欠かせない高い温度が短時間でピックアップできるようになります。反面消費も早くなりますので毎朝沢山の炭を割らなければなりません。また炭のサイズを整えることにより火炉(ホド)内の温度むらも少なくなります。

さて、こちらは焼き入れ風景です。

通常焼き入れ作業は繊細な温度管理(加熱した鉄の色味)が必要ですから暗い中でおこないますが、我々『鍛冶の会』は鍛冶作業を実演および解説するボランティアですから手元に陰を作って温度(鉄の色味)を見ます。

来園者がいらっしゃれば、「今ちょうど焼き入れ作業をしていますから、見ていってください」と声を掛けます。

こちらが焼き入れ後の状態です。竹細工用の諸刃(両刃)のナイフです。とても綺麗なフォルムや質感から作者の美的センスと技術の高さが分かります。


焼き入れの後(焼き戻し済み)は刃おろしの行程です。

一般的には刃物は研ぐ物ですが、『鍛冶の会』では制作した刃物の刃を付けるところから始めます。上画像の「セン」「ヤスリ」を使って地金を削り落としてゆきます。

こちらは和鉄(現代製鉄以前の鉄)と和鉄を鍛接して大きなピースにしている所。経験値が必要な難しい作業ですが難なくこなしています。

こちらは鋼の下拵えです。製作する刃物よって厚みと幅を事前に調整します。

鋼とは炭素の含まれる鉄のことを言います。(添加物があれば特殊鋼になり青紙などがあります)

鋼と地金は同じ鉄ですが僅か1%前後の炭素によって性質が異なり呼称が変わります。鋼は焼き入れ(赤く熱して水につける)をすると堅くなりますが、炭素の含まれない(もしくは少ない)地金は硬くなりません。

上画像は古参の制作した花鉈です。

白く光っている部分が鋼(堅い)で、それ以外の部分が地金となります。地金も錬鉄や和鉄(非現代製鉄)を使用すると上画像のように美しい模様が楽しめます。また火造りの技術があれば黒肌の素材感も素晴らしいものが表現できます。

以上、『鍛冶の会』最古参お二人の仕事と作品でした。

世田谷の植木屋 『庭竹』

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