流れ(擬似的な川)の補修
お庭を構成する要素は主に緑(苔から高木)石(砂利から景石)垣根(生け垣や竹垣や土塀)そして水(蹲い、流れ、池)でしょうか、中でも水は面白い素材で景観と音の両面を演出しますし場合によっては日の光や景色を反射させることもできます。
しかし水は不定形な液体ですからプールの様に囲われた環境が必要です。最近はガーデン用の防水シートを使いますし、通常は石やタイル、コンクリートを使ってお庭の中で水を演出しますが、自然石を多用した流れでは十分に防水処置を行わなければなりません。
と前置きが長くなりましたが、今回は昨年からのお客さんで前の植木屋さんが造った流れの補修作業です。
さて状況としては8年ほど前に造った流れの
1.ポンプの不動
2.流れの水漏れ(水量の低下)
です。幸い流れ自体が乾燥していますので各所詳細に観察できます。現状で水の溜まっている箇所がありますがそこは水漏れの可能性の低い場所です。
せっかくなので水鉢なども水を抜いて洗っておきます。
浄水槽もありますのでこちらも洗っておきます。画像がありませんがポンプも綺麗に洗ってゴミ等を取り除くと再稼働してくれました。
さて流れの方ですが隅々まで観察してみると経年による物なのかどうか分かりませんが上画像のようなひび割れが数カ所ありました。
苔やゴミを落としてから防水モルタルで補修します。数カ所のひび割れの補修とポンプなどの設備側のパッキン等の不備を補正して作業は完了です。
せっかく洗った浄化槽ですが今回は水量を低下させていることが判明しましたので撤去します。以前は流れの真ん中ほどをちょろちょろと流れていたそうですが、水量が増えたことにより川幅が広がり流れらしくなりました。
補修作業で目に見える箇所は補修できましたので水漏れの原因が今回の補修箇所だけであれば水の減少はなくなりますが、もしこの石組みの中で水漏れをしていたら水漏れの量を減らす効果にしかならない旨をお客さんに伝えました。
自分でも何度か流れを造ったことがありますが、よそ様の造った流れの補修は初めての経験です。どこの職人もよかれと思って造っているはずですし、あれが正解でこれは不正解という事もありません。しかし今回は色々と勉強になりました。水関係はシンプルなデザインが良いように思いますし、経年劣化する樹脂素材は交換前提の施工を心がけましょう。
以上、世田谷の植木屋『庭竹』でした。
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