2024年鍛冶の会
本年も鍛冶の会をよろしくお願いいたします。自称広報の庭竹です。
鍛冶の会の年初は初打ちから始まります。神棚に備える、鎌 剣 鍵を造ります。例年新人が苦労しながら担当するのですが、昨年は鍛冶の会の長い歴史で初めて新人さんの入会がなく、本年はベテラン三名による作業となりました。
ご近所の方などが見守る中、一つの火炉で三方から三名が火造りを行います。
上画像は鍛冶の会らしい雰囲気が出ています。鍛冶の会でも古参の三名ですから火造りはお手の物で、例年の新人さんのように苦労することもなく凝った作りになっているのはさすがです。
こちらが令和6年の初打ちの作品です。
こちらは個人的な作業を今年は本格的に鑿を数点作るつもりです。まずは下準備、地金(柔らかい鉄)に張り付ける鋼(加熱後に急冷すると硬化する)を2枚用意します。
鋼を地金に張り付ける(高温下で叩き圧接)ことを鍛接と呼びます。この時鑿の場合は地金の両端に鋼を巻きこみます。
こちらは鍛冶作業時の槌です。右が古式、左が現代的な槌になりますが重さはほぼ同じ1kgほどです。鍛冶屋の槌に限らず、金槌や玄翁も同じ重さであれば細く長いほうが打撃力があるそうです。しかし口(打撃面)が小さくかつ内側にこごんだ様な形状ですから使いこなすのは容易ではありません。
ここでの作業は趣味的要素も多く、効率よりも多少困難なほうがおもしろいので最近は好んで古式な槌を使っています。
この槌は廃業された鍛冶屋さんからの寄贈品ですが、庭竹が愛用しているのを知った兄弟子から管理者に選定されました。こうした文化の宿る古い道具を残し伝える事も我々ボランティアの役割のひとつです。
鍛冶屋の作業(刃物)は最初の鍛接以降の工程は所謂引き算の作業になります。素材の中に完成形が内包されていなければ話になりません。ここを太くここを厚くといったことができないからです。上画像は鑿の火造り作業です。火炉で赤く熱しては槌で叩いて形を整えてゆきます。基本的に叩く作業ですから膨らませる事はできません。凹みは凹みのまま残ります。下手な私はこの先の工程で皺や槌後に悩ませられる事になるはずです。
今回はここまで、以上鍛冶の会広報『庭竹』でした。
0コメント