お庭の改修工事、その1
庭工事は植木屋(庭師)の花形の仕事と私は考えています。
庭木の維持管理(剪定等)も理論や経験とセンスを駆使して挑む面白い作業ですが、庭の骨格となる庭工事にはまた違った楽しみがあります。石組みや景石の配置などは、それに取り組む職人(親方)の考え方がそのまま反映されますので、ある意味とても難しい仕事でもあります。明確な答えが存在しないながらも違和感や悪目立ちを排除しつつ、疑似的ながらも自然若しくは自然的な庭を造る楽しさは植木屋(庭師)の醍醐味ではないかと思います。
また、『伝統的な日本の庭造りを』と言う依頼があることを素直に喜びたいと思います。
さて、お庭の改修工事に取り掛かる前に、まずは庭木の剪定と不必要な樹木の伐採作業から始めます。数年間放置されていた庭木は間延びした枝が日光を遮り各樹木の中枝を枯らしてしまい、シルエットが一回り二回りと大きくなっています。
季節を演出するモミジなどはその枝ぶりを吟味して剪定を行います。松とマキの木は樹形を乱している枝を除去して本来の姿に近づけてゆきます。
全体的に大胆に思えるくらいカットしてゆきます。この時期(4月)は樹木は活気にあふれ最も活動的なシーズンですから、伐採した切り株の根が吸い上げた水を滴らせています。
庭木はこの時期であれば葉の付いていないような箇所で切っても新たな芽を出してくれます。
一日作業をしますと庭竹の作業車は満杯になるほど枝ゴミが出ましたから、なかなかの作業量かと思います。
さて、剪定と伐採作業が一通り終わりますと、庭全体がかなり明るくなりました。
ですが、この明るさが完成形ではありません。庭木には目隠しの役目を兼ねている側面もあります。これから梅雨を経て枝葉が伸びますから丁度良い目隠し感になるはずです。
以上、庭改修その1、剪定編でした。
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