世田谷の植木屋 雑感

庭竹の画像フォルダーを見返してみても、この時期はあまり画像そのものがありません。

夏の終わりですが、長々といつまでも暑さが続くのはここ数年常態化しています。キンモクセイが咲くには早すぎますし、お庭も色彩の変化が乏しく、どことなく単調な感じに見えますのでカメラを向ける様なお花や色が少ないからでしょうか。

真夏の間は雨も少なく庭木は一時成長を休止します。秋雨と耳にする頃もう一度少しだけ成長します。

私の修業時代、お世話になった親方に教わりました。夏前までは『ふるっぱ』(去年の枝先)まで切って、暮れは枝先を整えるようにすると。もちろん技術の事では無く、植物の年単位のルーティンに対して、我々が行う作業量の話で、お庭のバランスを維持する基本です。

教えていただいた技術やお庭に対する考え方は、私の植木屋観の中核をなしていて、その考え方は私に携わってくれる後輩たちには伝えています。

明治生まれ戦争経験者の親方の時代と比べれは、現在の世田谷あたりの住宅及び付随する庭環境も随分と変わってしまいましたが、過去が良いものと簡単に言ってしまうのは私は好みません。様々なツールが現代版にアップデート最適化され、それらを拒否せず取り入れてゆく柔軟性を、社会適応と私は考えます。

商売をするうえで、「頑固はいけないよ」「まめまめしくなきゃ」「話が面白いのも一つの個性」「奥さん、お手伝いさんに嫌われないように」「仕上げは人任せじゃダメ」「お隣よりも良い庭にする」などなど多くの事を学び、それを確実に生かしている自分がいます。

私の仕事が評価されているとすれば、親方と先輩による教えによるものと考えます。

庭竹は大きな事業所ではありませんが、それでもお庭造りや大きなお庭の年間管理などを任せていただき、お客さんのご要望に応えられる職人力を身に付けているだけでも幸せです。よい親方よい先輩に巡り合ったことは私の職人としての幸運かと考えています。

業界を見渡してみますと、その逆も散見できます。新人さんが次々と辞めていく事業所や、技術や知識を疎かにしている事業所など、新人さんが業界に悪いイメージを持って去ってゆくのは勿体ないと考えます。親方や先輩、または普段の仕事に魅力を感じなければ仕方ないのかもしれませんが、個人的にはとても面白い業種だと感じていますし、それをSNSなどで発信している事業所、職人さんもいらっしゃいます。

この業界に興味を持た新人さんたちが、この業種を面白いと感じてくれればよいなと考えています。

以上、世田谷の植木屋 庭竹でした。

世田谷の植木屋 『庭竹』

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