京都研修 ~ その2

京都研修その2です。

鞍馬石は、世田谷周辺の植木屋(庭師)にとって、お庭を構成する素材のひとつとしてよく知られています。さび色で、沓脱石や飛び石などの平石が多い印象があり、私たちは単に「クラマ」と呼んでいます。

鞍馬寺はケーブルカーがあるほどの急峻な地形のため、境内の至るところに石積みの石垣や石段があります。圧倒的な物量もさることながら、その技術の高さに目を見張りました。本当に綺麗な仕事が随所に見られ、驚かされました。

本殿から奥の院へ向かう参道に入ってすぐ、鐘楼へと分かれる階段があります。その石垣がまた素晴らしく、技術の中に人柄がにじむような仕事ぶりで、いつ・どなたが築いたのかと想像を掻き立てられました。丁寧で地道、そして真面目な印象を受ける石垣です。

続いて、鞍馬寺本坊の前庭にある白砂盛りの縁石です。こちらも一見すると何気ない仕事ですが、どこか誠実さが感じられ、思わず「良いなあ」とつぶやいてしまいました。

鞍馬寺では、どこを歩いても石仕事の丁寧さが際立っており、まるで境内全体がひとつの大きな作品のようでした。石段や石垣の一つひとつに技術の高さだけでなく、仕事に向き合う姿勢そのものが伝わってきます。

特に印象的だったのは、その丁寧さが決して誇張されず、あくまで自然体であることでした。隣接する貴船神社や、これまで訪れた他の寺社ではあまり感じなかった“静かな誠実さ”が、鞍馬寺での印象です。これは、鞍馬寺周辺で石仕事に携わってきた技術者たちの気風なのかもしれません。時代背景や施工者の詳細は分からないものの、石の据え方や面の取り方、段差の処理など、細部に宿る配慮からは、技術に裏打ちされた人柄がにじみ出ていました。

研修中、私は何度も足を止め、角度を変えて眺め、積まれた意図を想像しました。単なる見学ではなく、職人としての視点で学び直す時間だったように思います。現場で日々向き合っている“石”という素材が、場所や人によってこれほど表情を変えるのかと、改めて気づかされました。

とても学びの多い時間でした。

以上、京都研修 ~ その3へ続きます。

世田谷の植木屋 『庭竹』

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