5月 鍛冶の会

鍛冶の会・自称広報の庭竹です。

次大夫掘り民家園では、5月のゴールデンウィークに「昔の農村体験」が開催されました。

鍛冶の会はその一角で、小学生を対象とした鍛冶作業のワークショップを担当しました。平板をリング状に丸めるという、シンプルながらも“鉄を扱う感覚”をしっかり味わえる内容です。

付き添いのお父さん・お母さん方は、鉄を鎚で打つお子さんの姿を熱心にスマホで撮影されていて、家族で楽しんでいただけた様子が伝わってきました。

同じ「小学生」といっても、低学年と高学年では力加減も理解力も大きく違います。作業の進め方ひとつ取っても工夫が必要で、我々鍛冶の会にとっても学びの多い一日となりました。

◆ 西洋鉋刃の三種詰め合わせ

上の写真は、鍛冶の会の最古参メンバーによる西洋鉋刃の詰め合わせです。

ご依頼を受けた際、「せっかくだから」と三種類の刃金で制作したとのこと。上から アッサブ・白一・青一 の三種。依頼主は私もよく知る“道具好き”の方で、知識も技術も確か。研ぎもお好きなので、この三種の違いを存分に味わっていただけるはずです。

◆ 古い鉄の難しさ

古い鉄、特に和鉄や錬鉄は、現代鉄に比べて組織が不均一で柔らかいものが多く、研ぎ面の地金に独特の味わいが出るという魅力があります。一方で、火造りの過程では思わぬ癖を見せることもあります。

今回も、錬鉄を素材に鋼付けして切り出し小刀の姿に火造りしていたところ、カイサキ(鋼と地金の境)から地金が割れ始めました。現代鉄ではほとんど起こらない現象ですが、和鉄・錬鉄では珍しくありません。

私自身も何度も経験していますが、素材が薄くなり、火造りが完成に近づいた頃に割れが出ることがあります。比較的低温での鎚打ちの際に起こりやすく、鋼と地金の伸び率の違いに地金が“根負け”してしまうような印象です。

とはいえ、今回は完全に折れたわけではありません(右から二本目)。引き続き作業を進め、何とか形にしたいと考えています。

◆ 失敗もまた、ものづくり

思い通りにいかないことがあっても、試行錯誤しながら完成へと近づけていく――

その過程こそが、ものづくりの楽しさの一端なのだと改めて感じます。

以上、鍛冶の会からの不定期報告でした。


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