松の剪定

GWも明けますとそろそろ松の剪定シーズンかなと言ったところですが、今年は桜の開花が早くそれにともない毛虫の発生や松のみどり(新芽)も前倒しになっています。
いつものお客さんからのご依頼も幾分早まっていまして、こんな御時世ではありますが有り難い事に予定も次々と埋まってゆきます。
こちらは数年前に植栽した「天目松」という枝垂れ性の赤松です。
現状は枝造りの段階でもう少し外側に枝を広げてあげたいと思っています。庭竹としては枝垂れさせ過ぎてしまうと野暮かなと考えています。
この時期は毎日のように松の手入れが続きます。芝生も青くなり天気が良ければこの上ないほど「植木屋日和」です。
松は枝造りの観点からみますととても面白い樹種で、職方の考え方や美意識が如実にあらわれます。
植木は必ず成長しますので『切っているようで、実は枝を造っている』とお客さんには説明しますが、これはお世話になった親方がいつも言っていた事です。
姿の良い松は何年も何年もかけて造りますが、その松も僅か一度の手入れで台無しになってしまうこともあります。

こちらはお寺さんの松の剪定です。松葉はツツジなどに引っかかると、取り除く作業が大変ですから予めメッシュ状のシートをかけて養生をします。当たり前の事ですが、これらの積み重ねが作業効率を高めて、結果的にお客さんの出費の軽減につながります。
庭竹が小僧の頃から変わらないと思いますが、仕事が早い職人は一目置かれますし、尚且つ上手でれば尊敬もされます。どの業種業界でも同じではないでしょうか。
以上、五月晴れと松と植木屋でした。

世田谷の植木屋 『庭竹』

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