鍛冶の会 自称広報

鍛冶の会(ボランティア)に入会したのは10数年前、ある本の中に月島の鍛冶屋さんの記事があり、手道具が好きな私は図々しくも訪ねた事がきっかけです。

私は職人(植木屋、庭師)ですから、手道具がなければ何も始まりません。職人の中でも道具なんてホームセンターで買えばいいという者も少なからずいますが、私は大正生まれの親方に仕込まれましたので道具は良いものでなければ嫌です。

しかし、問題なのは良い=高級ではないと言うことです。

修業時代の大切なお金を値段の可愛くない道具(鋏)に使っては、何度も何度も裏切られました。よく切れる、その切れ味が長く続く刃物と、そうではない刃物の差はどこにあるのかと考えていました。

そんな折に月島に鍛冶屋さんがあることを知り訪問しました。

当会の顧問『左久作』師匠の作業場です。

記事の中にあった御先代(二代目左久作)はお亡くなりになったばかりで、遺影が飾られていた事を覚えています。

久作師匠の専門分野は大工等の木工家が愛用される、鑿や鉋、切り出しなど切れ味の鋭い刃物でした。植木屋が使うには勿体ない道具ばかりですし、何よりも道具それぞれが美しく見えました。

私の仕事でも使える釘締めを購入して、少しおしゃべりをさせていただきました。

どこから来たの?

世田谷です。

世田谷なら面白いところがありますよ。

どこですか?

次大夫堀民家園鍛冶の会。

知りませんでした。

今度、切り出し小刀の鍛冶教室がありますよ。

と、その年の鍛冶教室に参加してすっかり鍛冶の面白さに目覚めてしまいました。

もともと器用なタイプでして、人並みに刃物を作ることは難しくはなかったのですが、だんだん目が肥えてきて、知識が増えてきますともっと姿良くもっと刃の性能を引き出したいと欲が出てきます。

すっかり沼です。

鍛冶作業の難しさは火を使う事に尽きると思います。

私は好きで料理もしますが、料理も火を使う作業ですから同じレシピでスープを作っても結果は違ったものになることは多くの人がご存じかと思います。

加熱スピードや具材の下拵えや投入タイミング、鍛冶と料理は肝が似ていると思っています。

勿論鍛冶は素材が鉄ですから、加工にはたくさんの時間が掛かりますが、かえって加工における大きな失敗は起きにくいものです。

さて、私は根が職人なものですから鍛冶も上手くなりたいのです。

スキーや釣りなども趣味(遊び)でされる方は多いと思いますが、やはり上手くなった方が断然に面白いのではないでしょうか。

私は上達への道は意志を持った作業(動作)の積み重ねとだと信じています。意志とは上画像の様に造りたい、上画像の様に研ぎたいという思いです。因みに上画像の槍鉋は会の古参が造った物です。悔しいのですが今の私では全く敵いません。

GW以来9/8(日)現在まで鍛冶作業をしていません。お陰様で本業の植木屋(庭竹)を忙しくさせていただいているからです。

ああ、鍛冶がしたい。

以上、鍛冶の会自称広報の庭竹でした。


世田谷の植木屋 『庭竹』

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