年末までは気を引き締めて
世田谷の植木屋『庭竹』です。
毎年繰り返すこの気分、11月にもなりますと予定表は年末までを見据えたものになり、週間天気予報の雨マークを憎らしい気持ちで眺めることになります。
忙しい事はありがたい事です。
さて、こちらはいつものお庭です。
お庭の管理が我々植木屋(庭師)の務めですが、そのお庭を良い状態に保つことを管理と呼ぶのですが、それは現状維持ではなく少しずつでも良くしてゆきたいと言う気持ちも大切だと信じています。
簡単なようですがそうはいかないケースもあります。毎回違う職人がお庭に入ったり、そもそも植木を良くしたいという気持ちがない職人が仕事をしたりするとお庭のバランスは簡単に崩れてしまいます。
私はお客さんによく言うのですが「剪定は教育や躾に似ています」と、お庭という限られたスペースの中で疑似的な自然を楽しむには自由奔放ではバランスが取れませんし、コントロールされたお庭をコントロールされてないように見せつつ清潔感を演出できれば良いと私は考えています。
お世話になった親方(大正生まれ)は言っていました。「東京の植木屋だものスマートな仕事をしなきゃ」と、ほかに言葉はありません。それだけです。
こちらもいつものお庭です。
10月も中盤を過ぎますと植木や植物はほぼ成長をしなくなりますので今年も最後の芝刈りになります。
この時期にイネ科の除草剤を残布します。イネ科の雑草は寒くなってゆくこの時期に来年の為にエネルギーを貯めるそうです。球根類もそうですが枯れながら翌年のエネルギーを貯めます。そのエネルギーを貯める時期にイネ科にフォーカスした除草剤を散布しておけば効果が期待できるというのです。
芝生とイネ科の雑草は親戚みたいなものですから、芝を枯らさずにイネ科の雑草だけを駆除するですから簡単ではありません。薬剤散布をするのですから最大限の効果を得ないと自然に申し訳ないと私は考えます。個人的に無農薬は素晴らしいのですが、住宅環境の中では最低限の肥料や薬剤は必要かと思います。
こちらはお世話になって二年目のお庭の中庭です。
初めてお仕事をさせていただきますと、そのお庭のバランスや本来お庭の持つ``良さ``を阻害している部分に目が行きます。
我々の様に毎日様々なお庭を見ている身からしますと、ここをこうすればとか、あそこをこうしたらと、初めてのお庭ではマイナス点が気になってしまうのですが、それは年々仕事を続けてゆくうちに薄れてゆく感覚でもあります。なぜかそのお庭のその形に慣れていってしまうのだろうと思います。
お客さんには、新規にお世話になる際に私の感じる違和感をお伝えしました。私の意見に耳を傾けご理解をいただけると嬉しくなります。
初めての剪定作業の際には不必要な部分は大胆にカットさせていただき、お庭全体のバランスを見直すことが出来ました。其の上で季節感や目隠し名をを考慮した植栽提案をさせていただきましたので、我々としてもお庭への愛着がわくのは仕方のない事です。
私はお庭が良くなってゆくのが楽しくて仕方ありません。
以上、世田谷の植木屋『庭竹』でした。
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