鍛冶は楽しい
これから4月に向けて、学校や事業所などでは新人や新一年生を迎える準備が進んでいるかと思いますが、民家園ボランティア「鍛冶の会」でも毎年新人が数名入会してくれます。
3月はボランティア説明会があり、民家園の各ボランティアに興味のある方が活動を見学していきます。我々「鍛冶の会」は鍛冶作業の実演と解説がボランティアとしてのお役目です。
次大夫堀民家園は村の風景を模した公園ですから、我々は村の鍛冶屋として活動しています。
村の鍛冶屋ですから園内で使われる釘は我々が造っています。現代の釘は丸断面の丸頭ですが、和釘と呼ばれる昔の釘は四角断面で頭の形状は様々でその形状により呼び名が変わり分類されます。ここでは団扇上に広げた頭を巻きこむ巻き頭を造っています。
画像の様に小さな部材ですから放熱も早くあっという間に黒く冷めてしまいます。素早く的確に鍛造作業を行わなければいけません。
毎年新人が入ってくるということは、各年代の新人の積み重ねは平成15年から始まり、古強者は22年ほどのキャリアとなります。会員はそれぞれのライフスタイルに合わせて活動できる曜日を選択しています。22年生までいる「鍛冶の会」ですから、鍛冶作業の実力や取り組みは様々です。新人は数年かけて課題を克服していかなければなりません。
初級は火箸の制作です。共通規格の部材を赤めて叩き、指定の範囲内の長さまで伸ばします。この時、槌で叩いた跡が凸凹していると、鑢での成形工程で苦労します。
各課題をクリアーすると自由になります。どんな世界や業界でも自由とは怖いもので、責任が付いて回ります。鍛冶技術の向上を考えるには、独自で取り組むテーマを考えなければなりません。もちろん、自身が楽しめることが前提ですが、多少困難なテーマの方が私はやりがいがあります。上画像は植木鋏の火造りです。以前、新潟の鋏鍛冶さんが鍛冶実演というイベントに来てくださり、それ以後植木鋏をテーマにしている会員もいます。火箸と同様に、二つを同じ姿に造らなければ機能しにくい道具ですから、難易度はかなり高いはずです。お箸は片方が細く、片方が短ければチグハグになってしまいます。
鍛冶作業には炭が不可欠です。
毎朝新人からベテランまで当日使うであろう分量の炭を車座になって割ります。
大きな炭を親指位のサイズに割ります。相手は炭ですから割れば粉になって舞う始末、マスクと被り物は必須です。それでも春になれば今日は暖かいだの先週海釣りに行っただのフキノトウをパスタにしただのと言って作業します。
この炭は『鍛冶の会』の実費で購入しています。年間で数十万円もかかりますが会費と『民家園まつり』での売り上げを補填しています。我々鍛冶の会は鍛冶作業の実演と解説がお役目ですが、その過程で制作される道具は、皆さまが購入してもいいよと思えるくらいの品物(品質、デザイン)でなければいけません。
鍛冶作業には炭が不可欠です。
毎朝新人からベテランまで当日使うであろう分量の炭を車座になって割ります。
大きな炭を親指くらいのサイズに割ります。相手は炭ですから、割れば粉になって舞う始末。マスクと被り物は必須です。それでも春になれば、今日は暖かいだの、先週海釣りに行っただの、フキノトウをパスタにしただのと言いながら作業します。
この炭は「鍛冶の会」の実費で購入しています。年間で数十万円もかかりますが、会費と「民家園まつり」での売り上げを補填しています。我々「鍛冶の会」は鍛冶作業の実演と解説がお役目ですが、その過程で制作される道具は、皆さまが購入しても良いと思えるくらいの品物(品質、デザイン)でなければいけません。
以上、『鍛冶の会』不定期報告でした。
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