2025 左久作講演会
3/9日日曜日、当会顧問左久作による講演会を久作師匠の地元月島で行いました。
私はこの講演会の仕切り役という事で、無事に開催できたことでほっとしております。
これまでも銘切や研ぎ、和鉄の練り物など様々なテーマで開催してきましたが、今回は『良い道具の条件と造り手の視点』というテーマでの開催となりました。
民家園に収蔵されている野村貞夫棟梁の道具の中から『左久作』銘にフォーカスして解説していただきました。
顧問左久作師匠は左久作としては三代目にあたり、先代は父上、先々代は祖父にあたります。
昭和に活躍された野村棟梁の道具ですから、二代目と初代の道具を拝見する機会となりました。
道具には用途としての形式を踏まえた姿の他に、時代の流行りも姿に影響を与えていたようです。
鉋も昭和の初めにはかなり薄造りだったようですが、鑿の穂の厚みも時代によって随分と変わっている様です。
また、左久作三代による知識や経験の蓄積には、久作師匠の子供時代の思い出も混ざり面白く拝聴しました。当時の職人衆の威勢や気質、造り手と遣い手のやり取り。
現代では無くなってしまった熱量を想像してしまいます。
職人衆が使う道具を造る刃物鍛冶も、やはり道具を使って刃物を造るという当たり前などは、我々鍛冶の会以外の一般の方が聞いても面白い話だったのではないでしょうか。
以上、左久作講演会の報告でした。
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