6月の植木屋

今年も例年通りに梅雨入りした世田谷ですが、スマートフォンの Google ニュースで海を隔てた韓国の梅雨入りを知りました。韓国にも梅雨があるのですねと、一人で感心してしまいました。

アジサイや長雨、カタツムリといったイメージが強い梅雨ですが、世田谷あたりではあまりカタツムリを見かけません。アジサイとカタツムリはどこかセットのような印象ですが、それも過去のイメージなのかもしれません。

さて、こちらはカイヅカイブキの刈込作業です。植木にも流行がありますので、どちらかと言えば古い樹種になりますね。庭竹のお客さんの中でも、カイヅカイブキの刈込作業をするお宅は数えるほどです。

樹木の剪定の良し悪しを左右する要因には技術やセンスがありますが、刈込作業は生真面目さや誠実さが大きな要素であると考えています。

樹木は年数を経て必ず大きくなりますが、それをコントロールしてなるべく大きくしないことが、プロである植木屋の仕事だと考えています。生垣が大きくなって道路やお庭、駐車スペースを圧迫してはいけません。しっかりと規定値まで刈り込んだら、飽きるほど叩いて、刈った芽を落とします。代謝で枝に積もった茶色い葉もしっかり落として、樹形の中まで日が入るようにします。仕上がりは、反対側にちらちら光が見えるくらいが良いです。

逆に言えば、これらの工程を疎かにするとカイヅカイブキは巨大化してしまいます。

こちらも生垣の刈込作業ですが、年二回作業させていただいているため、この時期の刈込はお庭の中が透けて見えるほどしっかりと行います。当然、樹形の中に光が届きますから、刈り込んだ表面の内側にも枝葉が形成され、次回は今よりも少し生垣を薄くできます。道路にせり出していた生垣も、年々少しずつ抑え込んでいます。歩行者の安全にもつながりますから、数年計画の密かなテーマです。

こちらは果樹で構成されたお庭です。

樹木にはいろいろな役割があります。松やマキのような主役の樹種、生垣は目隠し、花木は花、果樹は実がお庭を飾ります。

農家さんが仕立てる果樹は収穫にフォーカスしているため、脚立を使わずに済むように背丈は2メートルほど、一本の幹から枝を放射状に広げて収穫量を担保する樹形になっています。長年の経験と工夫が編み出した形です。

一方で、庭木として果樹を見る場合、樹形や他の植木とのバランスを考慮せずに剪定することはできません。手前の木は後ろの木よりも低く。それぞれの樹形は卵型で、上部は丸く、下部に向かって裾広がりにしますが、最下部で少しだけ絞って下草の日照を妨げないようにします。こうした条件のもと花芽を育成し、樹形との兼ね合いを見ながら剪定します。農家さんのように収穫量の最大値は得られませんが、庭木でありながら果樹としての収穫も楽しめるようにします。

こんなことを考えながら、実際のお庭にトレースしていく作業が私は好きです。

以上、世田谷の植木屋 庭竹でした。

世田谷の植木屋 『庭竹』

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