竹垣(建仁寺垣)世田谷の植木屋
いつものお庭で竹垣(建仁寺垣)の掛け替え工事をしました。
竹垣には様々な形式がありますが今回は建仁寺垣という最もスタンダードな竹垣です。
シンプルな外観ですから和風のお庭やエントランスにも違和感なくマッチしますし、青竹は清涼感や清潔感を演出します。
私は小僧(修業時代)の頃から竹垣などの伝統的な技術に興味がありましたので一通りの勉強はしましたが、現在のようにように住宅の小規模化やお庭における趣味趣向の変化の中では以前のように竹垣を造る(造り直す)機会も少なくなりました。今どきの若い職人さんは竹垣に携わる機会も少ないのかもしれませんません。
庭竹くらいの事業規模で年に一度か二度の竹垣作業が出来ていることははありがたいことなのだと思います。
作業前はこちらです。手前から御簾垣、建仁寺垣、黒穂垣となっていました。
どことなく統一感がなく建仁寺垣の割間にも違和感があります。
そこで今回の作業目標としては、予算を抑えつつ統一感を出してすっきりとした印象のエントランスにしてゆきます。
リビルド作業ですから解体作業から始まります。解体作業は破壊作業ではありませんので制作工程の逆順序で解体してゆきます。すると制作者の意図や職人としての誠意みたいなものが読み取る事ができます。その際に何か新しい気づきや発見がありますと嬉しくなってしまいます。
こちらが新しく使う材料です。私が小僧の時分には竹屋(材料屋)さんに行けばいつでも今回の様な材料は揃いましたが、現在では竹屋さんも過剰な在庫を置いていませんので前もって予約をしておきます。
今回の改修では柱と竹材を支える板の設定を前回よりも太く分厚いものに変えました。次回
(7~8年後)の掛け替え工事の際に柱と板を残して竹材だけの交換で済むようにしてありますので幾らかは経済的かと考えます。
こちらが完成画像です。
どうでしょうか作業前に比べますと統一感やスッキリ感があると思います。建仁寺垣の割間も
定石通りに改善しましたので見る人が見てもおかしな印象は与えないと思います。
最後に庭竹は世田谷区の次大夫堀民家園で『鍛冶の会』というボランティア活動をしています。今回も自作の道具を使って作業をしました。私の様な植木屋であれ大工さんであれ果樹農家さんであれ自作の刃物で仕事をされている方は中々いないのではないでしょうか。庭竹の自慢のひとつです。
以上、少々鍛冶屋もする植木屋『庭竹』でした。
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