鍛冶の会 不定期報告
鍛冶の会自称広報の庭竹です。
底冷えの2月、不定期報告になります。
この時期は皆さまもご存知の通り、焼き入れ作業には下準備が必要です。
上画像左が水桶(水槽)ですが、白い温度計が見えます。刃物を焼き入れする際には刃物側の温度と水桶の水温に決まりがありますが、外気温が10℃を下回るこの時期は常温の水温も8℃~9℃といったところです。
焼き入れの適正水温は20数度となっていますから、予め火床で赤めた鉄板を水桶に漬けて調整します。上画像は包丁の焼き入れ風景です。火床から赤めた部材を引き出すと当然外気温に熱を奪われます。したがって画像のように素早く取り出して入水させます。
こちらは会ベテランの火造りの画像です。小さな和釘(民家園で使用)を小さなハシと小さな鎚で火造りしています。小さな部材は外気温のほかに金敷(上画像の四角い土台)にも熱を奪われます。見ていてもあっという間に赤みが薄れ黒くなっていきます。鉄は赤いうちに打てと言いますが、赤い時は容易に変形しますが冷めてしまうとそうもいきません。ベテランは少しでも熱の保持が続くように工夫しています。
こちらは私の造った剣先です。未来の宮大工にプレゼントするために造っていたのですが、切先に地金が被っています。私のせっかちな性格や確認を疎かにしてしまった結果です。先端部を数ミリ研ぎ下げれば刃物として成立しますが、研ぎ下げるとウラの形状も崩れてしまいます。今この記事を書きながら、もう一度焼きなまして成形からやり直すか、研ぎを任せる未来の宮大工にこのまま送るか悩んでいます。
以上、鍛冶の会 不定期報告と私の失敗実例でした。
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